サンドラ・ブラウンのこの頃の作品には、ちょっと湿度高めのねっとりしてうねるような、何とも言えない熱さがあると思うんですよね~。 この作品なんて、リディアとロスのお互いへの止められない熱い気持ちを「これでもかっっ」ってくらいにグルグルと心の内で吐露させるところが、もーー、私の好みなのよね♪ コレが嫌だって方も多いと思うし、実際私もウダウダ思いあぐねるヒロイン&ヒーローは好きじゃないんだが、サンドラ作品(特に80年代~90年代の)はちっともウザくない、むしろ身もだえしちゃうようなドキドキを感じられてすっごくツボなんだな~。 リディアは義兄からの性的虐待によって身ごもった子供を死産して生死をさまよった経験があり、一方のロスも父も知らず売春婦の母を持ちギャング仲間と無法を尽くして名前を捨てた過去をもつ「ホワイト・トラッシュ(白人のクズ)」と蔑まれてきた過去がある。 自分は決して幸せになるような人間ではない、それでももしかしたら人間らしく思える瞬間があるんじゃないか、愛したり愛されたりできるんじゃないか、怯えて必要以上に片意地を張りながら生来のまっすぐな心根から自然と人に慕われていく2人が、不器用でいじらしい。 説明のつかない磁力で会った瞬間から憎もうとしつつも強く惹かれあう2人が、どうやって自らの鎧を脱ぎ捨てて無防備に相手を愛し信じるようになれるか、そこまでの過程がジリジリと熱いロマンスをメインに進められる。 ラブ・シーン、というかお互いをただ見つめて吐息をこらえるその瞬間の描写も含めて、とにかくフェロモンがずーーっと行間に漂っているようなロマンスらしいロマンス作品! ロスが、最後の最後までなかなかリディアを信じきれないところが、ちょっと苛苛させられるけれど(笑)リディアを遠ざけながらも賛美し崇める様子が、もう可愛くてね。 マーやバッバ、モーゼスやプリシラなどの登場人物も、キャラが描ききれていてすごく面白いしね。 さて、ちょっぴりネタバレですが、「喜びの涙をあなたと」はまだ生まれていなかったロスとリディアの娘と、なーんとバッバことジェイクのロマンスなんだよね~。 いきなりプリシラも登場するし、これは続けて読むのをお勧めしますよ。 スポンサーサイト
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