ストーカーに狙われたヒロインと、ボディーガードとして人里離れた場所で過ごすことになるヒーロー・・・というパターン。 ロマンス小説家のエルギンと、彼女のボディーガードとなるハーム、お互いに反発を感じながらも・・・という展開はまあお約束ではあるんだけど。 ハームが、エルギンを意識していく過程は「ふむふむ」って感じなのに対して、エルギンのハームに対する心理がイマイチよくわからなかった感じだな~。 誘惑したいのか、拒否したいのか・・・。 2人が初めて愛し合うシーンは、意外にも後半すぎてからなわけだけど、それなのに非常に唐突な感じがしてちょっと違和感あり。 もっと、気持ちが高ぶっていく過程が読めたら楽しかった気がするのにな。 そして、愛し合った後でのハームの結婚生活に関する告白も、かなり唐突で納得いかないという、「そんなにロマンス小説が嫌いだっけ?」って思うくらい無理やりな印象が、どうも・・・。 更に、ハームへの愛に気づくエルギンの心境が、これまた非常に唐突・・・そう、万事こんな感じで、読んでいてちょっと置いて行かれたような印象がどうにもぬぐえないな~(^^;) ラストの病院のベッドでのシーンは、ホットなのを無理やりもってきた感じがして、これもなんかチグハグだったしね~。 しかし、マーティやチャド、シェイラ等々脇役たちはなかなか個性的だったのと、ミステリー部分が意外に(笑)崩れなかったので最後まで読みきった感じ、かな。 スポンサーサイト
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ちょっと怪しげなニュー・エイジ集団が出てきたり、地元商店街の面々が顔を揃えるあたり、ちょっと「ささやく水」を思い出させる作品だな。 ヒロイン:アレクサがキャリア志向で美術品関係の専門知識を持っているあたりも、このあたりの作品群に共通する感じ。 その中でも、登場から前半まで、ひたすら怒りのオーラと共に登場するヒーロー:トラスクが、なかなか新鮮で良かった。 後々、初対面の12年前から実は惹かれあっていたことが判明するわけだけど、再会~再々会?!までの不穏でありながら熱をはらんだ空気感が、導入部分として非常に上手だな~と思わせますね。 会ってすぐさま肉体的に反応するのでなく(実は奥深くでは惹かれていても)お互いに敵意をこめてやりあっていく感じ、トラスクの冷徹で厳しい感じやアレクサのプロとしての意識が、甘いだけじゃない大人なロマンスを感じさせてくれたかな。 でも、トラスクもクレンツ・ヒーローらしく、アレクサに惹かれるほどにどんどん可愛い男の嫉妬や思わず背中をなでたくなるようなおバカな行動で楽しませてくれる! 不器用なトラスクが、「ミスター・クールのあだ名が台なしだ。」と額を合わせてアレクサにつぶやくシーン、大好きだな♪ そんなトラスクを、楽しくからかいながらぐっと包み込むようなアレクサの強さと優しさが伝わって、読んでいて本当に気持ちの良いヒロインだなと思った。 ミステリーの味付けも、ロマンスとちょうどいい感じの配分で楽しませてくれた感じ。 全体的に、非常に整った印象なんだけど、上品すぎることなく大人っぽい恋の物語に仕上がったように思えます。 |
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